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大交易時代の交易船


南方諸国への出航は北東季節風が吹く9月頃から11月が最もよく、帰航は4月の南西風に乗って帰ることが順風であった。

航海の途中、台風や時化(しけ)で遭難したり、また思わぬ方向に漂着することもあったであろう。

多くの犠牲者や困難に遭いながらも絶やすことなく交易は続けられ、大交易時代をむかえたものである。

巴志が南方(シャム、ジャワ)に出した交易船は、次のとおり。

1419年 使者 新川  舟 三艘
1420年 〃  垣花  〃 一艘
1420年 〃  謝花  〃 〃
1434年 〃  小浜  〃 三艘
1434年 〃  船越  仁字号船
1435年 〃  並里  義字号船
1436年 〃  実太郎 勝字号船
1437年 〃  船越  盤字号船
1437年 〃  実太郎 国字号船
1438年 〃  与那城 洪字号船
1438年 〃  並里  舟 一艘
1440年 〃  歩島  舟 一艘
1441年 〃  与那城 洪字号船
1441年 〃  小浜  舟 一艘
1441年 〃  大城  舟 一艘
1443年 〃  大城  舟 一艘
1445年 〃  不明  舟 一艘
1446年 〃  小浜  順字号船
1447年 〃  明泰  勇字号船
1447年 〃  屋部  舟 一艘
1448年 〃  沈思良 安字号船

航海は沖縄から片道50日間を要して、はるばる運ばれてくる南方産であったから、明国では標準価格より高価で買い取られていた。

これは当時、沖縄から本土の境や博多商人の手を経て、朝鮮や中国に再輸出されるものもあり、それでも五倍から十倍の利益があったため、明国では琉球の朝貢品保護のため、進貢の蘇木や胡椒は標準価格の二十倍〜三〇倍で買い取られていた。




南方諸国との交易


南方諸国との交易はシャム(タイ)、安南(ベトナム)、ジャワ、マラッカ等であった。最初のころはシャムが主要国であった。

交易を求める相手国首長宛の書面は「執照文」として漢文で書かれた文書を使者に託して派遣された。

書面の内容は「琉球国中山王の使者○○は、○○船で貴国を訪問し、粗品を呈上させる。なお、蘇木、胡椒、香木、その他、○○等を買い入れたい。これは明国への朝貢にあてるものだから便宜をはかってすみやかに帰国させてほしい。今後ともよろしく。」というものであった。

琉球からの交易品は硫黄も含まれていたが、主に中国からの陶磁器、絹織物、日本産の武器類、扇子、砂金等であった。

そして南方から蘇木、胡椒の他、香料、象牙、錫、香水、酒類等が大量に輸入された。

南方交易は先ず、南方諸国の地の利に明るいことが必要であり、そして言葉の問題もあったはずである。

幸い南方諸国には中国出身の移住者が多く、彼らは南洋華僑として交易にたずさわっている者が多く、交易の媒介的役割りを果たしていた。だから琉球商船は人的に恵まれていたといえる。

那覇の久米村に中国から三十六姓の移住者が多く定住していた。彼らは航海士であり、水先案内人であり、通訳であった。南方交易は彼らの協力で出来たものである。





中継交易


巴志は父が中山王として襲爵が無事認められたことで、中山経営に大きな自信をもったであろう。

早速、謝恩使を派遣し、明国が最も欲しがる硫黄や馬等を進貢した。

巴志は人材登用にも積極的であった。優秀な人材は前王朝の臣下や、南山、北山からも引き抜いて重用した。

南山の使者として活躍していた三五郎尾(さんぐるみ)を引き抜いて重用したのもその表れといえよう。

そして首里城の整備拡大を徐々に進めながら那覇港、泊港を交易港として朝貢に全力をあげ、年に2〜3回、進貢船を出していた

その背景には、南山王、汪応祖の進貢に対する中山の勢力誇示もあったであろう。

汪応祖も毎年、進貢を続けていた。南山が進貢を毎年続けたのは、かつて承察度や汪英紫もできなかったことである。

巴志の台頭に刺激された汪応祖は、巴志を意識したためか、進貢船を毎年派遣していたが、物資量は中山の比ではなかった。

巴志の朝貢は、かつて察度の全盛時代を上回るものであった。

硫黄は北部西方海上の鳥島産で、多いときは一度に6万斤、馬は200頭も輸出した年もあった。

その他、沖縄産の貝殻、磨刀石(といし)。日本産の刀剣、槍、鎧兜等の武器、金銀製の食器、屏風、扇子等であった。

そして南方産の蘇木、胡椒等は最も高価に取引されたものである。

蘇木は織物の染料に使用され、胡椒は調味料や肉類の保存に使われていたため、中国や朝鮮では貴重品である。

日本の商人が未だ南方交易をしないときであったから、南方産は中国の朝貢だけでなく、日本や朝鮮でも高価で取引されていた。




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